平成12年10月


JCO臨界事故後の
国の原子力安全確保体制の強化と原子力安全の再構築


                      原子燃料工業株式会社
                      日本ニユクリア・フユエル株式会社
                      三菱原子燃料株式会社


1)原子力安全確保体制の強化

a)原子炉等規制法の改正

 JCO臨界事故の反省から核燃料加工施設等における臨界事故再発防止対応策等を徹底すること および規制遵守の継続的なチェックが必要であるとして、「原子炉等規制法」の改正が行われました(2000年7月1日施行)。 主な改正点を下記に示します。

  • 加工事業者に対し施設の定期検査制度の追加(毎年1回定期検査を実施する)
  • 全事業者に対し、事業者及び従業者が守らなければならない保安規定の遵守状況に係わる検査制度の創設 (3ヶ月毎に保安検査を実施する)
  • 原子力保安検査官の主要施設への配置
  • 全事業者に対し、事業者による従業員教育の義務化
  • 全事業に対し、従業者の安全確保改善提案制度の創設

b)特定のウラン加工施設のための安全審査指針の策定

 原子力安全委員会では、JCO臨界事故に鑑みて、濃縮度5%を越え、20%未満のウランを転換、 加工する施設の安全審査指針が新たに策定されました(2000年9月25日)。

c)原子力安全委員会事務局機能の強化

 安全委員会の事務局機能は平成12年4月に科学技術庁から総理府に移管され、規制当局からの独立性を高めると共に、 幅広い分野の専門家を集めて100人規模に拡充されました(従来規模の約4倍)。 また安全委員会は従来から行っている設置許可段階における安全審査のダブルチェックに加えて、 設置許可後の行政庁が実施する安全規制活動をチェックするために規制調査を行いました。


2)安全と安心の構築

a)原子力災害対策特別措置法の制定

 JCO臨界事故の反省から初期動作等における国、自治体の連携強化、原子力災害の特殊性(放射能は五感に感じられない、 災害対応に特別な装備や訓練が必要、専門知識の必要性等)に応じた国の緊急時対応体制の強化 および原子力事業者の防災対策上の責務の明確化が必要であるとして、 「原子力災害対策特別措置法」が新たに制定されました(平成12年6月施行)。主な内容を下記に示します。

  • 原子力事業者からの異常事態の通報を義務づけ。
  • 予め定められた手順に従い直ちに内閣総理大臣を長とする原子力災害対策本部を設置する。また当該市町村及び都道府県の対策本部も設置する。国は避難等必要な措置を自治体に指示する。
  • 政府は現地に原子力災害現地対策本部を設置する。国と自治体の現地対策本部の連携を高めるため原子力災害合同協議会を設置(オフサイトセンターに置く)。
  • 国の防災専門官をサイトに常駐させ、中核的役割を担わせる。
  • 専門家(原子力安全委員会・調査委員)の技術的助言の法的位置づけの付与
  • 原子力事業者の敷地内に放射線測定設備の設置および記録の公表を義務づけ。また通報義務を明確化。
  • 事業所防災組織を設置し、災害応急措置を実施させる。
  • 事業所に原子力防災管理者をおく。
  • 事業者の「原子力事業者防災業務計画」の策定義務の明確化

3)規制法の改正に関する加工事業者の対応

a)保安検査、定期検査

 改正された原子炉等規制法に基づき、保安検査官が原子力事業所の所在地域に常駐となり、 保安規定の遵守状況を毎年4回チェックすることになりました。 加工施設に対する第1回の保安検査は本年7〜8月にかけて実施されました。

b)規制調査

 原子力安全委員会の規制調査は本年4月に予備調査としてNFIの東海製造所とJNFに対して行われました。本格調査は本年下期に実施される予定です。昨年12月に出された「ウラン加工工場臨界事故調査委員会報告」の中で臨界事故の再発を防止するための対策と提言として103項目が挙げられており、これらに対する国と事業者の取り組みについても規制調査でフォローするとしています。


4)原子力災害対策特別措置法に関する加工事業者の取り組み

a)防災業務計画

 各燃料加工事業者は法律に則り防災業務計画案を作成しました。内容については事業所の立地する自治体(府県、市町村)と60日以上の協議期間を経て作成した後、科学技術庁に届け出を行ったものでその概要は公開しております。法律に定められた防災組織、防災管理者等を定め、また放射線計測設備を各事業所に設置すると共に防災資機材(放射線計測機器、防護用器具、非常用通信機器等)の備え付けを行いました。

b)防災専門官

 各事業所の近くに防災専門官が配置され、定期的に事業所を巡回し原子力安全に関する点検と指導をしています。また自治体毎に防災訓練計画が立案され、加工事業者もこれに協力しています。





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